孤独な私がおしゃべりしたい時間

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月平均15冊以上本を読む魔女の読書記録と心に残ったあれやそれ。

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【腐注意!】BLは「禁断の恋」のままじゃダメなのか!!BLは最早昔のBLではない…

こんばんは、魔女 (@korokorokemari) | Twitterです。

 

夕食後、ぼんやりとネットを見ていたらこんな記事を見つけました。

BL編集部3社が語る、これからのBL - 「禁断の恋」はもう古い! - pixivision

www.pixivision.net

 

え、えええええええええ

BLってもう「禁断の恋」じゃないの⁉

それこそがセオリーだと思ていたのにもう古いの⁉

 

通りで!!最近好みの傾向の作品が減ったと思ったよ…。

 

という訳で、今日は「BLはもはや"BL"でなくてもいいジャンルになったのでは…?」「でもそれが社会にとっていいことなのかも…?」というささやかなヲタトークを展開します。

 

も、萌え~(ブヒブヒ)という現実の私がいる訳ではなく、ジャンルが変わってきたよね~という話ですが、念のためBL表現が苦手な方はご注意ください。

 

BLとの出会いは「イキり」からでした。

私が初めてボーイズラブ作品に触れたのは小学校5年生でした。

クラスメイトの女の子(仲悪い)が腐女子だということがクラスの皆にバレ、

「こいつ、こんなの読んでるんだぜ~」と男子から回ってきたのが

好きなものは好きだからしょうがない!!」、通称「好きしょ」の文庫でした。

 ※こんな可愛らしいタイトルの割にかなり重い内容です…

好きなものは好きだからしょうがない!!―White Flower〈上〉 (角川ルビー文庫)

好きなものは好きだからしょうがない!!―White Flower〈上〉 (角川ルビー文庫)

 

 

当時小学生だった私は兎に角小説が大好き。そして舐められるのが嫌い。

回ってきた本をパラパラ~と捲るとワーオな挿絵などがあったのですが、

「え、全然読めるっしょ!!」とイキりました。

 

すると、腐女子だと暴かれたクラスメイトの目が輝きました。

そして次の日からこれ読んで、あれ読んでと沢山のBLマンガを貸してくれました。

 

 

 

BLは「禁断の恋」の背徳感を味わう果実、だった

BL作品を読んでいく中で感じたのは「な、なんだこれ…こんなのあっていいの⁉」という禁断感でした。

 

当時はそもそも腐女子なんて言葉は全然世間には浸透していないし、今以上にBLを読むことは隠さなければいけないことでした。

 

同時に作品の中でも「男を好きになるなんて…」「こんな気持ち、持ってちゃだめだ」とか同性愛の葛藤と、それでもそばにいたい!!という愛情の深さが少女漫画とは一線を画してました。

 

のちに面白い少女漫画にも出会うのですが、当時はなんとなく少女漫画の恋愛って始めから「絶対くっつく」って明らかにわかっていて、ドラマはあっても「愛情」はあまり感じていませんでした。それをBLでは命を削る、人生を賭けた恋として描いていたことが強い魅力でした。

 

出版不況?BLが読み切り社会という現実

そこから6年ちょっとコミックス、同人誌だけでなく

を毎号購入して読んでいました。(一覧にするとちょっと怖い…)

 

その時、気づいたんですがBLマンガって基本は読み切りなんですよね。

つまり、ノベルだったりある程度名前が知られている作家さんだったりすれば連作で物語が編まれるんですが、大半の作品は32ページ読み切り1発!!

 

そうすると、何が起きるのか。

32ページ内で出会って、好きかも…とかやって、濡れ場やって終わるという超スピーディー展開になってしまうんです。

 

しかも連載化のハードルが高いのか、ずっと購読していると何度も同じ作家さんの「読み切り」を読むことになるんですが3~4回読んだところで「あ、このパターン1000回読んだな…」ってなるんです。仕方ないんです。32ページという制限でしかも読み切り。出来ることはすごく限られてしまいます。

 

心の描写とエロ描写

BL作品で読者を惹きつけるには、おそらく2通りのパターンが考えられます。

  • 心理描写で魅了する
  • エロ描写で煽る

「心理描写魅了する」はここまでに書いている葛藤や禁断感があるもの。

「エロ描写で煽る」はその名の通り兎に角エッチなやつです。

 

前者は「描写」が必要な分ページがかさむんですが、後者はページ数や書き文字、ポーズなんかがかなり重要なポイント。32ページ内に収めるために削るのは前者ですよね。

 

なんとなくですが、こんな流れで徐々に葛藤を描く作品は減ってしまったのではないか、と考えています。

 

 そんな中で「ひだまりが聴こえる」や「海辺のエトランゼ」が高い評価を集めたのはある種の原点回帰的なことかなと思います。

 

ひだまりが聴こえる (Canna Comics)

ひだまりが聴こえる (Canna Comics)

 

 

海辺のエトランゼ (Feelコミックス オンブルー)

海辺のエトランゼ (Feelコミックス オンブルー)

 

 

 ただ、昔は俗にいう「スーパー攻め様」(裕福だったり容姿に優れていたり俺様だったり…「攻め」としか言いようのないキャラ)が強かった印象ですが、最近はカップルの力差はあまりない作品も多いですね。

 

さらに「エロ」すらも不要な時代へ

ここまでの話は大体4~5年くらい前に悟ったことなんですが、さらに近年もはや「エロ描写」自体が無くてもいいという新世代が現れている…⁉という個人的ビッグな変動もあります。

 

例えばpixivコミックのランキングで私がよく見かけるのが

 

30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい - pixivコミック

comic.pixiv.net

 

絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男 - pixivコミック

comic.pixiv.net

 

佐々木と宮野 - pixivコミック

comic.pixiv.net

 

の3作品なんですが、BLネタコメディだったり、スーパーライトなBL風?みたいな感じで葛藤もエロも重要じゃないんですよね。

 

簡単に言うと、以前までBLは男性向け成人向けみたいな閉じられた世界の側面が強かったと思うのですが、徐々に「バトル」「アクション」「コメディ」みたいな一般向けの一ジャンルとして、「BL」というジャンルになりつつあるのでは…?と思うわけです。

 

「男同士」だからこその葛藤や背徳感がなくても。

私一腐女子としてはこの事態は非常に悲しいです笑

このライトな波がどんどん高まってきて葛藤や苦しみ、背徳感を描いてくださる作品がなくなったら…とっても寂しいです。

 

BLでも百合でも少女漫画でも、何を読んでも同じような恋愛模様が繰り広げられてたらなんか折角それぞれのジャンル個性があるはずなのにもったいない!!

 

だけど、時代的に考えたらむしろいいことなのでは?とも思うので、最後にその話を少し…。

 

7月9日にpixivision - おもしろいもん観たいじゃんで公開されたBL編集部3社が語る、これからのBL - 「禁断の恋」はもう古い! - pixivisionで興味深いコメントを見つけました。

 

江崎:「同性が好き」というのが物語のハードルとして弱くなってきたからこそ、オメガバースや獣人など別のハードルで物語を盛り上げるようになってきたのかもしれませんね。

 

増田:ただ、ドラマの本質的なラインは今も昔もそこまで大きく変化していない印象です。どんな時代でも読者さんは、「このふたりに幸せになってほしい」と応援しながら作品を読んでいますから。もちろん作家さんの個性を尊重した上でのことですが、編集部からは「最終的に読者さんをハッピーにしてほしい」とは基本的にお願いしています。昔と比較してみても、安心して読める作品は人気を集めやすくなった気がします。今は不安定な時代なので、安心して触れられる作品を求めるのは自然なことですよね。BLに限らず、世相はコンテンツに反映されるものですから。

引用元:BL編集部3社が語る、これからのBL - 「禁断の恋」はもう古い! - pixivision

 

「同性が好き」というのが物語のハードルとして弱くなってきた

これって、物凄いことですよね。

 

歴史的に考えれば、実社会の同性愛の歴史は長く深いものの、少なくとも私が生まれた約30年前からこの10年前くらいまで「同性愛がハードルじゃない」なんて時は、残念ながらほとんどなかったはずです。

 

私の身近にも同性愛の男性がいますが、彼の母は自分の教育が悪かったから息子が同性愛者になってしまった、自分の業が彼の性癖を歪めてしまったと本気で考えています。

彼の家庭は今でもギクシャクしたまま。彼自身も多くの苦労をしています。

 

そんな中、創作の世界では徐々に同性愛がハードルとして捉えられなくなっている。

 

腐女子が同性愛の理解者ではない、という話もしばしば上がりますが、

もし差別をなくすのが、被差別者を讃えるのではなく、自然に、当たり前のことのように扱うことだとしたら、少女漫画のように一ジャンルになる「BL」は新しい社会への第一歩かもしれません。

 

ここまで読んでくださってありがとうございました!!

魔女 (@korokorokemari) | Twitterでした!!