孤独な私がおしゃべりしたい時間

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「コンビニからエロ本が無くなる」は福音か?

こんばんは、魔女@60記事達成!✌︎('ω')✌︎ (@korokorokemari) on Twitterです。

 

去る8月31日は、ついに来たあの日でした。

それは何か。

 

コンビニから成人向け雑誌が撤廃される日です。

今日、全国のコンビニからエロ本が消える…撤去される“成人向け雑誌”はこれからどうなる? 『日本エロ本全史』著者・安田理央×93年生まれのエロ本ライター・姫乃たまが緊急対談!(BLOGOS編集部)

話題になったのは撤廃が発表された2019年1月ごろでしたが、約半年の月日を経てついにその日が来ました。

 

私は完全になくす必要はないのでは?と思っている派なのでなんとも感慨深いです。

 

そこで今日は「コンビニからエロ本がなくなるのはいいことなの?」か考えてみようと思います。

 

 

 

なんでコンビニからエロ本をなくしたいの?

コンビニからエロ本がなくなる、それを知った時まず思いました。

 

「なんでコンビニからエロ本をなくしたいの?」

 

漫画家でありライターでもあり、元エロ本での執筆もされていた田房永子さんは次の記事でこのように述べています。

エロ本がコンビニからなくなる日に、あるフェミニストが思うこと(田房 永子) | 現代ビジネス | 講談社(1/7)

 

それにやはり、「家出JK猥褻ナマ姦」などの文字が躍る本を、子どもたちにも見えてしまう位置に置いているのは、社会として問題なのではないか、とも思うようになったのです。

 

多くの人がこの意見には同意するはずです。

それはわかる。

 

でもなんで、「社会として問題なのか」それをうまく説明できるでしょうか?

 

ちなみに田房永子さんについては女が性欲を抱くなんて!!けしからん!!と思う人へ - 孤独な私がおしゃべりしたい時間でも述べていますのでよかったらご覧ください。

 

「エロのない世界」がいい世界?

エロ本、エロ動画、下ネタ…

 

日常には様々な「消費のためのエロ」が沢山あります。そして日常からの逸脱感を煽るため過激で卑猥な言葉やポーズで欲望を刺激します。

 

こうしたものが子どもの目に触れて欲しくない!ショックを与えたくない!

 

そう思うのも無理はありません。

 

それでも、私は「エロのない世界」がいい世界だとは思えません。日本の性教育が抑圧的な今だからこそ、教育以外の場面で現実の「消費としての性」を認識しておくべきだと考えています。

 

 

無菌室で育つ「いい子」

性から隔離された子どもが大人になって社会に出たら、自分の身を守れるんでしょうか?

 

過度に警戒心を抱かされた子どもは適切な形で異性を愛せるでしょうか?

 

根本的な問題は「コンビニにエロ本があるかないか」ではなく、どのような形で日本社会にはびこるエロ文化を子どもに学ばせるのかという点にあるのではないかと思います。

 

適切な性教育を考える

日本では性的なことは悪いこと!と学校や家庭でかなり強く教育されます。

 

そしてその反動で過激な消費のためのエロをコソコソ子見る…という人が大半です。

 

ですが、本来性的な接触は禁止されたり抑圧されたりするべきものではありません。

 

「大切にするべきものだ」ということを学びながら適切に飼いならす必要があるのです。

 

 

封じ込めに意味はあるのか?

子どもの教育、という観点以外で見ると「封じ込め」が本当にプラスの面に作用するのかも個人的にはかなり疑問です。

 

その理由は「歌舞伎町浄化作戦」という大規模掃討事例にあります。

 

歌舞伎町浄化作戦について思うこと

皆さんは歌舞伎町浄化作戦についてご存知でしょうか?

 

2004年暮れに東京都知事石原慎太郎の招聘で就任した警察庁出身の副知事・竹花豊の主導により「歌舞伎町浄化作戦」が実施され、店舗の摘発が積極的に行われた。この際に性風俗店・アダルトショップなどが閉店を余儀なくされ、2005年に竹花が出向解除により警察庁へ復帰して以降も、警視庁の威信をかけた重点摘発が続けられている。

引用元:Wikipedia  歌舞伎町
 

 

 

歌舞伎町浄化作戦とは石原都知事時代に行われた一連の店舗摘発のことです。

 簡単に言うと風俗店を無くすぜ!!てことですね。

 

これは風俗が倫理的にいいか悪いか、と言うこと以上に風俗店が暴力団などの資金源になることから、資金源根絶のために行ったもの。

 

しかし、これは風俗店で働く方達を危険に晒すことになったと思います。

 

風俗店は逆にとっても働く人にとってもまだまだ需要があるもの。女の貧困は「自業自得」ではなく国の問題だ!!「 東京貧困女子。」 - 孤独な私がおしゃべりしたい時間にも書きましたが、貧困女性のセーフティネットと考えられていた時代もありました。

 

すると当然、摘発が行われようとも風俗店そのものは無くなりません。

 

風俗店は店舗型からホテルや自宅へ派遣される「派遣型」へと変貌しました。

 

この「派遣型」が危険性を高めていると思うのです。

 

というのも、例えばいわゆる本番強要なんてことが起こってもホテルや客の自宅に行ってしまっていたら、風俗嬢は助けを求めたり逃げたりすることができません。

 

強要する側にとっては「強要しやすい環境」が整いました。

 

外見的には綺麗になったように見せても、その実高いリスクが生じているのです。

 

 

裏のエロ本の誕生?


そこで思うのが、コンビニからエロ本がなくなっても、やっぱりエロ本を欲しい人はいるんじゃないかなってことなんです。

 

そして「隠されたからこそ」より危険性の高いエロ本が生まれる、なんてことはないのかな?と思うのです。

 

未成年のモザイクなしの写真が一生出回るとか、そう言った恐ろしい事態を生む温床にならないか気がかりなのです。

 

もちろんビニ本時代にモザイクなしの裏本も出回っていたわけですが、それよりかなり危険なものが出るのでは…?と危惧しています。

 

 

まとめ SEXとどう付き合うのか

人間という動物として生きる以上、性的なものと離れることはほとんど不可能です。

 

しかしそれをどう飼いならすか、問題に正面から向き合って解決することが日本は特に苦手です。

 

このブログでもいくつかフェミニズム的な論に触れてきましたが、個人的には性欲を隠蔽したり、「女を性的に見るな!」みたいなことも倫理的な正当性が仮にあっても、現実的には飲み込まれない主張だと思います。

 

性的なものは人間と共にあるもの。

それをどう飼いならすのか。

他人を「1人の個人」として捉えながらどう処理するのか。

 

この点をもっと考えていくべきだと思います。

ここまで読んでくださってありがとうございます。魔女@60記事達成!✌︎('ω')✌︎ (@korokorokemari) on Twitterでした。