孤独な私がおしゃべりしたい時間

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「相容れない価値観」とどう接するか

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自分以外を知る

SNS界のムーブメントの先駆者「インフルエンサー」。

 

 

今やその活躍はSNSだけではないですね。

一歩書店に足を踏み入れれば、店頭の目立つ場所で

インフルエンサーの本が売り出されている光景は

全く珍しいものではなくなりました。

 

 

インフルエンサーは発信の方法や演出が魅力であり、

一方で「本」という形に押し込めてしまうと

中々興味を持ちづらい部分もあるのでは…?と思います。

 

 

では誰がインフルエンサーの本を買うのかと言えば、

それは"ファン"の方なのではないでしょうか?

 

 

写真集を買う様に単行本を買う。

そんな本の買い方が一般的になりつつあります。

 

 

先日、ついに私が注目しているインフルエンサー

ハヤカワ五味さんが著書を発売されました!!

おめでとうございます!!

 

私だけの選択をする22のルール あふれる情報におぼれる前に今すべきこと
 

 

 

今回はハヤカワ五味さんの著書

「私だけの選択をする22のルール」をご紹介しながら

"選択"の重要性について考えていきます。

 

 

今回の結論は

  • "選択"するためには、"選択"できる環境を作ろう!!
  • 相容れない価値観を認めなくていい

の2点です。

 

 

 

「私だけの選択をする22のルール」とはどんな本なのか

15歳でビジネスを始め18歳で起業した若き経営者・ハヤカワ五味さん。

一見、光り輝ているように見えるハヤカワさんの人生ですが、

その陰にはいつも「悩み」がありました。

 

そしてその悩みを解決してきたのが"選択"という行動でした。

 

「私だけの選択をする22のルール」では

ハヤカワさんが幼少期から現在までの経歴や

社会との関わり方を見つめながら"選択"の重要性を伝えています。

 

 

著者のハヤカワ五味さんについて

1995年生まれ。

中学2年生の時読んだ古屋兎丸先生の「彼女を守る51の方法」をきっかけに

ロリィタファッションに興味を持ちます。

 

しかしロリィタファッションは1着2~3万円が相場。

とても中学生が購入出来るものではありません。

 

 

そこで「自分のほしいものは作る」の精神で

ロリィタ服を作るようになったそうです。

 

 

そこから、自分好みのタイツを作ろう、

欲しいと言われたので売ってみよう、と制作の幅を拡大。

 

 

胸が小さい人向けのランジェリーブランド「feast」を立ち上げ後、法人化。

現在では生理カルチャーの脱タブー化など、

アパレルだけでなく社会問題についても

活動の幅を広げている女性です。

 

 

ハヤカワ五味さんの経歴については

Twitterのハヤカワ五味さんご自身のモーメントもご参照ください!

 

 

 

 

"選択"できない人

「私だけの選択をする22のルール」の"はじめに"では

現代の世の中がこれまでの世の中とは

大きく異なっているポイントを指摘しています。

 

 

私たちは歴史の中で参政権など多くの権利を勝ち取り

「選択肢がない」という悩みを超えてきました。

 

しかし一方で現在は情報過多社会。

選択肢があまりに多すぎて

「選択肢の中から選ぶことが出来ない」という

新たな悩みが出てきたと指摘しています。

 

 

また、ハヤカワ五味さんは本書の中で

会社員の父親とパートタイマーの母親、

そして妹という一般的な家庭出身にも関わらず

「極めて裕福な家庭の生まれだとよく勘違いされる」と述べています。

 

 

なぜこうした勘違いが起きるのでしょうか?

 

 

私自身は、ハヤカワさんよりもう少し斜に構えていて

現代の世の中には

「選択肢が沢山ある人」と「選択肢が相変わらずない人」の

両者が混在している社会だと考えています。

 

 

そしてその「選択肢」が有無には

金銭的余裕があるかないか、が

大きな影響を与えていると思うのです。

 

 

金銭的に余裕がない場合

世の中に沢山の選択肢があろうと、

自分自身の手で出来る選択は非常に限られたものになります。

 

 

例えば、進学を例に挙げてみましょう。

学区内の公立学校だけでなく私立の学校も複数ある地区に居住していても

私立の学校に通う費用が無ければ、公立学校以外の選択肢はないも同然です。

 

 

スーパーに沢山の商品が並んでいても、

金銭的な余裕がなければいつも見きり野菜を買うという

「選択」しかないかもしれません。

 

 

お金がない、ということは物理的に選択肢を奪い

徐々に「選択肢がある」ということに目を配る力すらも奪っていきます。

 

 

そのうち

「自分にはこれしか選べない」、

「こうするしかない」と限られた世界観で

判断することに慣れていってしまうのではないでしょうか…?

 

 

私自身、家庭の経済状況が良くないという

刷り込みがかなり強くあったため、

あらゆる選択を親に決められている感覚で学生時代を過ごしていました。

(私自身の人生についてはこちらに書いています⇒【大解剖】魔女はいかにして魔女になったか - 孤独な私がおしゃべりしたい時間)

 

反対に裕福であれば物理的に選択肢が増えるので

"選択"の出来るハヤカワさんは「裕福な家庭出身だ」と

勘違いされるのではないかと思います。

 

 

ではハヤカワ五味さんは

どうして一般家庭出身にも関わらず

広い視野で"選択"できるのでしょうか。

 

 

 

"選択された世界"の弊害

その理由は幼少期の過ごし方にあります。

 

 

神保町育ちのハヤカワ五味さんは

毎日のように三省堂神保町本店に足を運び

立ち読みを繰り返していたそうです。

 

 

その際に「興味があるもの」と「興味が持てなそうなもの」の

両方を手に取ることで世界の広さに気付くことが出来たのです。

 

 

ネット通販やSNSなどでは

私たちのアカウントデータを解析しながら

「おすすめ」や「趣味が合いそうな人」をおすすめしてくれます。

 

 

今やこの世界では

私たち自身で「興味があるか」どうか判断しなくても、

興味がある(と思われるもの)が自動的に提示してくれるのです。

 

 

しかし言い換えればこれは私たちが"選択"の

機会を失ったことを意味します。

 

 

金銭的な余裕がない家庭で育っていない人でも

何かを"選ぶ"ことが苦手な人は大勢いますよね。

 

 

それは私たちが普段接している世界がすでに

私たちのために"選択された"世界であり、

その中で好みのものをさらに選ぶことに慣れているからだと思います。

 

 

「好きなもの」「好きではないもの」の

玉石混交な世界で何かを選ぶ機会が減っていますから

当然自分の手で"選択"することも恐ろしくなってしまうのです。

 

 

選択できるようになるには

では、私たちが自分自身の手で"選択する"力を身につけるには

どうしたらよいのでしょうか?

 

 

ハヤカワ五味さんは

"「興味があるもの」と「興味が持てなそうなもの」の

両方を手に取ることで世界の広さに気付くことが出来た"

と述べています。

 

 

つまり意図的に「興味が持てなさそうなもの」にも

手を伸ばしてみて、その存在を感じてみる。

「興味が持てなさそうなもの」に触れてみる。

 

その上で、改めて自分で深めるものを選んでいく。

 

 

自分の手で意図的に"選択する"場面を作ることで

"選択"の力を身につけることが出来るようになるのだと思います。

 

 

 

 相容れない価値観をどう考えるか

「興味が持てなさそうなもの」に触れてみて

食わず嫌いで実は好きになれそうだった、というならお得です。

 

 

しかし実際には

「どうしても受け入れられそうにない…」というものもあるはずです。

 

 

そうした相容れない価値観とはどう向き合っていけばいいのでしょうか?

 

 

ハヤカワさんは「第3章 社会を知る--選択は並存していく」で

選択的夫婦別姓を例に挙げて次のように述べています。

 

 

社会が新しい選択肢を認めるということは、現行の選択肢が否定されたわけではありませんし、それぞれの考えを受け入れようと、そうでなかろうと、どの選択肢も法律の上で存在し得るのです。

引用元:私だけの選択をする22のルール

 

 

夫婦別姓が可能になっても、

夫婦同姓の権利が剥奪されるわけではないし

夫婦同姓論者の人すべてが

夫婦別姓認めなくてもいいのです。

 

 

ただ、法の下で「夫婦同姓」が可能になれば

夫婦別姓」の人たちと「夫婦同姓」の人たちが

並存するというだけのことなのです。

 

 

「興味を持てなそうなもの」に触れてみる機会を作った時

相容れない価値観にぶつかってしまうことがあるかもしれません。

 

 

そんな時は、受け入れなくてもいいのです。

一方でその価値観を駆逐することもなく、

並存を可能にすることが大切です。

 

 

感情的には相容れない価値観の

並存を認めること自体難しいかもしれません。

 

 

では生物学的に考えてみてはどうでしょうか?

 

 

1つの種が単一の選択肢しか取れない場合、

その選択が間違っていれば、一発ドカンで全滅です。

 

 

一方で複数の選択可能性があれば生存の可能性も上がります。

 

 

そしてこれはビジネスでも政治でも同じではないでしょうか。

単一選択肢ではなく複数の選択肢を持つことで

リスクを回避することが出来るのです。

 

 

まとめ "並存"の重要性

幸か不幸か最近は物議を醸す騒動が多く、

私がよく利用するTwitterでも様々な意見が飛び交っています。

 

 

Twitterのような短文かつ単発的なSNSは議論には向かないと考えていますが、

Twitter上では「議論」が活発です。

 

 

しかしその目的の多くが論破や中傷であり

相手を理解したり自分の論を深めようという意図はありません。

自分の相容れない選択肢を駆逐してしまうことが目的化してしまっています。

 

 

ですが、相容れない価値観でも並存の必要があります。

 

「相容れない価値観」を認めなくてもいい。

自分とは違う価値観の人がどんな選択をしているのか知る、

そして自分の選択を振り返ってみる。

並存を許す。

 

 

これが今の私たちにもっとも重要なことではないでしょうか。

 

 

興味を持ってくださった方は是非ハヤカワ五味さんの

「私だけの選択をする22のルール」手に取ってみてください!!

 

 

私だけの選択をする22のルール あふれる情報におぼれる前に今すべきこと
 

 

「選択」が大事だとわかったけど、

どうしたら"正しい選択ができるの?"という方には

こちらの記事がおすすめです⇒【生き方がわからない人へ】人生に「正解」はない。 - 孤独な私がおしゃべりしたい時間

 

ここまで読んでくださってありがとうございました。

魔女(まじょ)@意識は高くないマン (@korokorokemari) | Twitter