私たちの普通が、侵される…『裏世界ピクニック』3巻 原作:宮澤伊織 作画:水野英多
とある理由で〈裏世界〉に入り込んだふたりの少女:空魚(そらを)と鳥子(とりこ)。
彼女たちはそれぞれの目的で〈裏世界〉と〈表世界〉を行き来する。
はじめは〈裏世界〉の異常さに戸惑っていたふたりだが、徐々に自分たちも〈裏世界〉の影響から正気を失っているのでは…?と疑心暗鬼に陥り…。
『裏世界ピクニック』は宮澤伊織先生著のハヤカワ文庫JA刊『裏世界ピクニック』シリーズをコミカライズしたもの。作画に水野英多先生を迎え月刊少年ガンガンにて大好評連載中の作品。
ネットで拡散される「くねくね」「八尺様」「きさらぎ駅」などの都市伝説の怪異が出現する〈裏世界〉に足を踏み入れたふたりの女の子の冒険譚!最新コミックス3巻が8月9日(金)に発売となりました。
この作品は
- 都市伝説が好き
- ガールミーツガール/百合が好き
- ミリタリー好き
- SF好き
な人におすすめです
ついに来た「きさらぎ駅」編終結!!
コミックス1巻で「くねくね」「八尺様」と対峙した主人公:空魚(そらを)と鳥子(とりこ)。2巻中盤からは「ステーション・フェブラリー」、すなわちきさらぎ駅に迷い込んでしまいます。
※くねくねとは⇒2chの怖い話「くねくね」|恐怖の泉
※八尺様とは⇒2chの怖い話「八尺様」|恐怖の泉
※きさらぎ駅とは⇒都市伝説『きさらぎ駅』三人目の行方 - NAVER まとめ
このステーション・フェブラリー編まではあくまでネット上の都市伝説のオマージュ、という雰囲気が強かった本作。しかしステーション・フェブラリー編は海兵隊が出てくるオリジナル要素の強い展開へ。都市伝説好きだけでなくミリタリー好きにも見逃せないストーリーが繰り広げられます!!
1~2巻までと雰囲気が違うのはそれだけではありません。このステーション・フェブラリー編は最後に「猿夢」も絡み後味の悪い終焉を迎えます。そしてここまで一緒に危機を乗り越えてきた空魚と鳥子の関係にも異変が…。
「逢ったこともないし 話したこともない そんな人のために命を賭けろって言うの?」
「冴子を探す」という鳥子の目的を果たすために〈裏世界〉鳥子と共に足を踏み入れ続けた空魚。しかし漸くそのことに恐ろしさに気付くのでした。
〈裏世界〉に関わったものの日常を侵食する"現象"
空魚を怖気づかせたのは、ひとつの電話でした。
〈裏世界〉から〈表世界〉へ助けを求めるためにかけた電話。表世界へ戻ってその録音を聞いてみると、それはとても会話とは呼べない異言でした。自分たちは助けを求めるメッセージを残したのに一体なぜ…?
そこで空魚は気付きます。
もしかして、気づかないうちに自分たちは狂ってしまったのかもしれない、と…。
そしてその狂気は空魚、鳥子だけでなくふたりを取り巻く日常にも浸透していきます。
女の子同士の微妙な友情関係
この作品は異世界探検譚としてもおもしろいのですが、もう一つの魅力が空魚と鳥子の関係性です。
ふたりは〈裏世界〉で偶然知り合い、〈裏世界〉に行ったまま戻らない「冴子」という知人を探し出したい!という鳥子に協力する形で空魚も裏世界の奥へ足を踏み入れることになります。
冒険を通じて友情を育む空魚と鳥子。しかしその陰にはいつも「冴子」がいました。鳥子は「冴子」のためなら何でもする覚悟がある。一方の空魚は鳥子のことは勿論好き。だけど「冴子」のことなんて何も知らないし、「冴子」のために無理をする鳥子を見つめるしかなくて…。
空魚と鳥子の友情の行方も見逃せません!!
おかしいのは〈裏世界〉か?それとも〈自分〉なのか?
もう〈裏世界〉には行かない方がいいかもしれない。
友達の願いより自分の身の安全を守った方が…?
空魚の葛藤の結論は?
都市伝説の怪異と戦うふたりの少女の冒険譚から目が離せません!!
『裏世界ピクニック』コミカライズ版1~3巻は大好評発売中です。
コミックス1~3巻内容の原作はシリーズ第1作、宮澤伊織著「裏世界ピクニック ふたりの怪奇探検ファイル」に収録されています。原作も1~3巻が大好評発売中!!
裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 宮澤伊織
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2017/02/28
- メディア: Kindle版
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さらに色んな都市伝説を知りたい人には哲学ニュースnwkがおすすめです~。
お話そのものだけでなくレスも残っているのでリアルタイムな雰囲気で怖い話が読めますよ!最近は都市伝説系・ホラー系は更新頻度が落ちている印象ですが巡回すると時々新作が入っていてドキッとさせられます…。
ここまで読んでくださってありがとうございました!